こうやって Google for Education 認定トレーナー になりました

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筆者あるふ の Google for Education Certified Trainer(Google for Education 認定トレーナー)認定していただくまでの体験を記しました。「認定トレーナープログラムを広めていければ」、「興味のある方や目指している方の参考になれば」という想いを込めたものとなっています。

なお、本記事の内容は、2021年9月に申請した際の情報を現時点(2022年6月)で振り返ったものとなっています。最新の情報は必ず公式を確認するようお願いします。また、Google よりフィードバックをいただいているような内容ではありません。あくまで個人の考えとなりますのでご承知おきください。

Google for Education Certified Trainer (認定トレーナー)とは

Google for Education Certified Trainer (認定トレーナー)とは、Google for Education 認定プログラム の 公式サイトによれば、『Google のツールをフルに活用できるよう認定トレーナーとして教師を支援する』人のことであり、具体的には『Google for Education サービスの活用方法を教師に教え、授業の効率化、生徒の学習成果の向上、リーダーシップ スキルの養成を支援』する人です。

Google for Education 認定トレーナー になるメリット

Google for Education 認定トレーナーになると、いくつかのメリットがあります。ここでは主な6つを紹介します。

認定トレーナーのデジタルバッジの使用が可能

認定トレーナーの証となるデジタルバッジの使用が可能となります。こちらは履歴書や名刺、Webサイト、電子メールの署名、レターヘッド、マーケティング資料に使用することが可能となります。

トレーニングとデモ専用の Google Workspace for Education のドメインの作成が可能

Google Workspace for Education の研修用や検証用のデモ環境ドメインの作成が可能となります。

これでセキュリティが高い学校現場や職場においても様々なトレーニングや検証、研修を行うことが可能となります。

認定トレーナー専用コミュニティへの登録

認定トレーナー専用の Googleグループ(メーリングリストのようなもの)に登録され、さらには専用のWebサイトを閲覧することが可能となります。

ここで世界中の認定トレーナーが情報交換や情報共有を行っています。

認定トレーナー専用のウェビナーなどへの参加や資料へのアクセス

トレーナーとしてのスキルを向上していくことができる認定トレーナー専用のウェビナーなどへ参加できたり、資料を閲覧することが可能となります。

Google for Education ディレクトリへの掲載が可能

Google の認定プログラムで認証された方々の一覧を見ることができる Google for Education ディレクトリ に自身を掲載することが可能となります。

これにより、地域の教育関係者や認定者同士と交流できる窓口ができます。YouTube や Webサイト 等のリンクを掲載することも可能で、自身の活動等をPRすることもできます。

Google の新しいサービスのリリース発表イベントへの特別アクセス

Google の新しいサービスのリリース発表イベントへの特別アクセスが可能となります。

つまり、Google の新サービスの情報をいち早く知ることができるようになります。

Google for Education 認定トレーナー へのSTEP

Google for Education 認定トレーナー になるためのSTEPは大きく分けて4つあります。個人で各STEPを進めていくこともできますが、Master Trainer Program というプログラムに参加し、様々なアドバイスをいただきながら実施していくことも可能です。募集・実施時期等と予定がうまく噛み合い、参加できるチャンスが今後あれば、参加することをオススメします。有料の場合でも価値があると個人的には感じています。

1.トレーナー コースを履修する

トレーナーコースを履修し、研修計画の立て方や研修を実施する上で重要な視点等を身につけます。Webサイトからの e-lerning 形式 で履修することが可能です。

2.トレーナー スキルの理解度テストに合格する

1のトレーナーコースの内容を理解しており、認定トレーナーとして十分な知識、理解度があることをテストで試され、合格する必要があります(筆者あるふ はギリギリでした…)。

3.認定教育者レベル 1 およびレベル 2 を取得する

『授業で Google のツールを使いこなすスキルがあることを証明』できる認定教育者レベル1と、『専門知識とテクノロジー導入の高度なスキルを有していることを証明』できる認定教育者レベル2の取得が必要です。
Google for Education 認定資格 の 公式サイト

認定トレーナーは、Google for Education のツールの使い方等を教える立場となります。また、認定教育者レベル1およびレベル2の取得を目指している方々のサポートをすることも一つの役割となりますので、認定トレーナーとして必須の資格となります。

なお、こちらの資格は事前に取得していても大丈夫ですが、有効期限が36ヶ月の資格であるので、期限には注意が必要です。

4.動画を作成してトレーナーのお申し込みを提出する

1分間の自己紹介と2分間の指導スタイルの紹介で構成される計3分間の動画を撮影し、申請時に提出する必要があります。

申請フォームに入力する内容

動画以外に、申請フォームには主に下記の3つを記載する必要があります。

  • 過去一年以内に実施した5回分の研修の実施日・内容・人数
  • 今後1年間で計画しているコーチングや研修のゴール
  • 一回分の研修の詳細(どのように説明してなにを工夫したか等)およびその研修資料と参加者のフィードバック(要アンケートの作成)

しっかりと事前に申請内容、項目を確認してから望むようにすると良いでしょう。

申請のポイント

筆者あるふ が申請するまでにいくつか意識したポイントがありますので下記に主なものを紹介します。

公式の Apprication Tips(申請のヒント)をよく読む

Google が公式に提示している申請のヒントがありますので、そちらをよく読んで「どういった観点で評価するのか」、「どういった点に注意しなければいけないのか」といった項目を把握しましょう。

筆者あるふ なりに訳して解釈すると、主な観点は以下の4つであると思われます。

・教育テクノロジー分野での経験(a candidate’s background in education technology)
・質の高いプロフェッショナル育成の経験(experience in delivering high quality professional development)
・Google for Educationツールの使用経験(mastery of Google for Education tools)
・地域の教育に影響を与えたいという情熱(the passion necessary to positively impact education in their regions)

Google for Education Application Tips

さらに、後半では『応募書類・内容に不備がないようにする』ために「どういった点に注意しなければいけないのか」といった内容が詳細に記載されています。

個人的に特に押さえた方が良いと感じたのは、ビデオについての以下の部分です。

Video should be 3 minutes or less and focus on how a Google for Education Tool can increase efficiency and redefine learning in the classroom.

Google for Education Application Tips

Some did not reflect the integration of tools into use with students and some did not demonstrate the “Googliness” of applicants.

Google for Education Application Tips

上記の引用は「良くない例」の説明です。

The quality of the video is very important.

Google for Education Application Tips

せっかく公式が詳細に出してくれているものですので、よく読んでおきましょう。

Google の企業理念や認定トレーナーの目的にも焦点を当てる

Google for Education 認定トレーナー になるということは、ある意味では Google の看板を背負って活動するということになります。

そういった視点からも、Google の企業理念 や Apprication Tips でも述べられている Googliness について把握しておく必要があります。

また、認定トレーナーの役割についてもしっかりと押さえておく必要があります。

Google は、ミッション型の企業理念と言われる以下のものを掲げています。

Google の使命は、世界中の情報を整理し、世界中の人がアクセスできて使えるようにすることです。

Google について

さらには、『Google が掲げる 10 の事実』というものを掲げており、ここから Google らしさ という意味合いの Googliness、Googley を理解するヒントが得られます。

1. ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
2. 1 つのことをとことん極めてうまくやるのが一番。
3. 遅いより速いほうがいい。
4. ウェブ上の民主主義は機能する。
5. 情報を探したくなるのはパソコンの前にいるときだけではない。
6. 悪事を働かなくてもお金は稼げる。
7. 世の中にはまだまだ情報があふれている。
8. 情報のニーズはすべての国境を越える。
9. スーツがなくても真剣に仕事はできる。
10. 「すばらしい」では足りない。

Google が掲げる 10 の事実

Googleらしさ が少しは見えてくるのではないでしょうか。ちなみに筆者あるふ は、ジャケットとワイシャツを着ている写真をサムネイルに使用してしまったことを少しだけ後悔しました…。ちなみに『スーツがなくても真剣に仕事はできる』というのは「スーツを着ているのが悪い」という意味合いではありません(現に筆者あるふ は合格しています)。詳細もリンクから読んでおくことをオススメします。

最後に、改めて Google for Education 認定トレーナーの役割を押さえておきましょう。冒頭で記載した通り、Google for Education 認定プログラム の 公式サイトによれば、認定トレーナーの役割は

Google for Education サービスの活用方法を
 教師に教え、
 授業の効率化、
 生徒の学習成果の向上、
 リーダーシップ スキルの養成

支援

Google for Education 認定プログラム の 公式サイト

することになります。

YouTubeでアプリケーション(申請)動画を視聴する

公式の Apprication Tips 、企業理念や使命、Google for Education 認定トレーナーの役割を把握したら、YouTube で公開されているこれまでの申請動画を視聴して、上記の観点が押さえられているか確認してみましょう。

日本語で公開されているものは現時点では数少ないですが、英語のものはそれなりにあります。ぜひ参考にしてみてください。かなりの高クオリティで、Googley であることをアピールしています。

なお、Google らしさを求めすぎて商標権などを侵さないように気をつけましょう。念の為、Google の知的財産権関連のリンクを掲載しておきます。
 Brand Resource Center
 ポリシーと規約

動画作成の留意点

申請のポイントを踏まえ、下記の内容を意識しながら動画を作成しました。

自己紹介での留意点

1分間の自己紹介では、自分の実績を次の3つの観点で整理し、その情報をバランス良く含めました。

  1. 教育分野での活動(発表、肩書等の実績)
  2. どのような研修や情報発信をしてきたか
  3. Googleのツールをどれだけ活用して影響を与えてきたか

また、情熱は、『実績を踏まえて今後やっていきたい内容』で表現しました。

自己紹介の分析ベン図
自己紹介の分析ベン図

自己紹介であるので、上記に加えて自分の強みである分野(元SE、人間の情報処理を扱う実験心理学の研究経験など)の話も含めています。

なお、上記のベン図は下記のリンク(Jamboard)で公開していますので、リンク先の画面右上の「3つの点ボタン(その他の操作ボタン)」から「コピーを作成」してご自由にお使いください。
自己紹介の分析ベン図

1分という限られた時間になるので、すべての情報を含めるのではなく、取捨選択して自分をアピールしましょう。

指導スタイルの紹介(ツールの説明)での留意点

2分間のツールの説明においても筆者あるふ が実践したいくつかの留意点があります。

説明対象

ツールを説明する対象は、大人の教育者としました。

認定トレーナーとして活動する際に、メインの対象は大人の教育者となるからです。もちろん、その先に児童・生徒がいることを意識する必要はあります。

内容

内容の流れやテーマは課題解決型のもので、すぐに実践できて授業の効率化・生徒の学習成果の向上が望めそうなもの にしました。

つまり、教育現場に的確に影響を与えられそうな内容 にしました。

上記は、Google for Education 認定トレーナー に求められているものでもあるのではないでしょうか。

意識した点

意識した点は、「わかりやすく、教えるのが上手いと思ってもらえる」ものにすることです。その上で、下記の3点が大事だと考えました。

難し過ぎない

ツールの説明時間は2分間のみです。短時間で難し過ぎるものは果たして「わかりやすい」でしょうか。

また、Google for Education 認定トレーナー がサポートする対象はプロフェッショナルな方々のみでしょうか。

基礎的過ぎない

「難し過ぎない」と相反するものかもしれませんが、「基礎的過ぎない」という点は大事だと思われます。

なぜなら、Google for Education 認定トレーナー は、プロフェッショナルであることも求められるからです。また、基礎的過ぎるものだと Googley であることを表現するのも難しいでしょう。

動画編集でなんとかしようとしない

動画編集に長けている人であれば、ツールの説明もダイナミックなものにできるかもしれません。しかし、Google にとってそこが一番観たいところでしょうか。

「教えるのが上手い」と思ってもらえるように、動画編集でなんとかするのではなく、見せ方やしゃべり方、わかりやすい操作性を意識することが大切です。

なお、1分間の自己紹介では動画編集技術を大いに活用してもOKなのではないかと個人的には考えています(筆者あるふ もかなり動画編集しています)。

まとめ

これまでの内容を踏まえ、筆者あるふ が、Google for Education 認定トレーナー を目指す上で大切だと思う3つの項目を記載させていただきます。

  • どういった人物が求められているかしっかりと把握する
  • 自分らしさをどう表現するか
  • 不足していることがあればどう補っていくか、スキルアップするか

突き詰めていくと、就職活動や採用試験でも大切なことと共通してくると感じています。審査する方としては、「Google の看板を背負う仲間になるのに見合っているかどうか」という観点から見ているということなのだと思います。

いかがだったでしょうか。これらはあくまで 筆者あるふ が実践してみた内容となるので、全てがすべて、Google for Education 認定トレーナー を目指す全員にとって正しいとは限らないでしょう。また、Google から何かしらのフィードバックをいただいているわけでもありません。

しかし、認定トレーナー として抑えなければならない点でもあると個人的には思っています。

本記事の内容が、教育をより良くしようとしている方々の参考になれば幸いです。

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コメント

  1. マサシ より:

    合格おめでとうございます。目立った経歴もない教師ですが、トレーナーに挑戦いたいと思っています。分かりやすくまとめてくださり、とっても参考になりました。ありがとうございます

    • あるふ より:

      コメントありがとうございます。そのように言っていただけると記事にした甲斐があったと思えます!挑戦、応援しています!!

  2. 荒木裕子 より:

    とても参考になりました。
    教員ではなく、GWSサポート企業に属し
    小中学校に出向き実際の授業に入ってサポートしている者です。
    子どももいるので保護者の視点からみて、
    今後、参観日が復活したら
    Chrombookを使いこなしている教員を保護者は評価するように思えます。
    田舎なのでトレーナー保持者は少ないので、先手を打って取得を考えていました。
    参考どころか教科書にさせていただきます。
    公開、本当にありがとうございます。

    • あるふ より:

      有難いコメントありがとうございます!
      教育業界全体(特に公立)で変化への対応に腰が重い特徴があるので、民間企業からのサポートの必要性を感じています。地域によっては地方だからこそフットワーク軽く対応できるところもありますのでぜひ認定トレーナーを取得して事例を作っていって欲しいです。私もできることをやっていこうと思っていますので一緒にやっていきましょう!

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